【泌尿器科コラム】知っておきたい性行為感染症(第2回:近年急増中の「梅毒」とは?)
皆様、こんにちは。医療法人岡本クリニック(泌尿器科)です。
性行為感染症(STI)について解説する連載の第2回目です。
今回は、ニュースなどでも頻繁に耳にするようになり、現在、国内で爆発的に感染者が急増している「梅毒(ばいどく)」について解説します。
「昔の病気」と思われがちですが、実は今、20代の若い世代を中心に幅広い年齢層で非常に流行しています。梅毒の恐ろしいところは、「症状が一時的に消える期間がある」という点です。
梅毒の症状:時期によって変化する「偽りの安心」
梅毒は、感染してからの期間によって症状がドミノ倒しのように変わっていきます。
第1期(感染後、約3週間〜)
初期症状:性器や口の周りに、小さなしこり(硬結)や、真ん中が凹んだ潰瘍(かいよう)ができます。また、股の付け根(リンパ節)が腫れることもあります。
不気味な特徴:これらの症状は「痛みがほとんどない」ことが多く、さらに放置していても数週間で自然に消えてしまいます。ここで「治った」と勘違いしてしまうのが、梅毒の大きな罠です。
第2期(感染後、約数ヶ月〜)
次の症状:手のひら、足の裏、全身の皮膚に、うっすらと赤いバラの花のような発疹(バラ疹:ばらしん)が広がります。熱が出たり、だるさを感じたり、脱毛が起こることもあります。
やはり消える:この症状も、数ヶ月するとまた自然に消えてしまいます。しかし、体の中から病原体(梅毒トレポネーマ)が消えたわけではありません。
それ以降(数年〜数十年の放置)
長期間放置すると、ゴムのような腫瘍が全身にできたり、心臓、血管、脳、神経などが破壊され、命に関わる深刻な障害を引き起こします。
泌尿器科としての対応と、女性の皆様へのメッセージ
第1回でもお伝えした通り、梅毒も「パートナー同士で同時に治すこと」が鉄則です。
男性の患者様:当院(泌尿器科)で、血液検査から抗生物質(当院では内服薬)による治癒までの治療がすべて可能です。
女性の患者様:当院での直接的な加療は行えないため、婦人科(産婦人科)への受診が必要となります。
不安なときは、男女問わずいつでもご相談ください
梅毒は「痛みのないしこり」や「全身のブツブツ」など、見た目の変化が特徴です。「もしかしてこれって…」と不安になったときは、性別を問わず、まずは当院へご相談ください。
血液検査の段取りや、女性であれば信頼できる婦人科へのスムーズなご紹介など、不安を解消するお手伝いをいたします。
当院からのメッセージ
梅毒は、決して過去の病気ではなく、今すぐそこにある身近な感染症です。
しかし、いたずらに恐れる必要はありません。早期に発見できれば、抗生物質をしっかり服用(または注射)することで、治癒させることができる病気です。
「自然に治ったから大丈夫」と自己判断せず、少しでも怪しい症状があったり、パートナーの感染が分かったりした場合は、プライバシーに配慮した診療を行う当院へ安心してお越しください。
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