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【尿路感染症シリーズ・番外編】男性の陰嚢(タマタマ)が腫れて激痛!「精巣上体炎」の原因とすぐ受診すべき理由

【尿路感染症シリーズ・番外編】男性の陰嚢(タマタマ)が腫れて激痛!「精巣上体炎」の原因とすぐ受診すべき理由

皆様、こんにちは。医療法人岡本クリニックです。

尿路感染症について正しい知識をお届けする連載の、今回は「番外編」です。

これまで膀胱炎、前立腺炎、腎盂腎炎と解説してきましたが、最後にもう一つ、男性の皆様にぜひ知っておいていただきたい急激な激痛を伴う病気があります。それが「精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)」です。

「股間の片側が急激に腫れ上がってきた」

「歩けないほどの激しい痛みと熱がある」

このような症状が出たとき、恥ずかしさから受診をためらうのは非常に危険です。今回はその原因と、一刻も早い受診が必要な理由を分かりやすく解説します。

精巣上体炎とは?なぜ腫れて激痛が走るのか?

精巣上体(副睾丸)は、精巣(タマタマ)の後ろ側にある、作られた精子を蓄えて育てる細いくだが詰まった器官です。ここに細菌が侵入して急激な炎症を起こすのが精巣上体炎です。

炎症が起きると、片側の陰嚢(玉袋)が2倍以上に大きく腫れ上がり、触るだけでものたうち回るほどの激しい痛みに襲われます。また、多くのケースで38℃以上の高熱を伴います。

年齢によって異なる「2大原因」

精巣上体炎を引き起こすルートは、年齢層によって大きく2つに分かれるのが特徴です。

若い世代(20代〜30代)に多い原因:クラミジアなどのSTI(性感染症)が原因であることがほとんどです。尿道から侵入した性感染症の菌が、精管を逆流して精巣上体にたどり着くことで発症します。この場合、パートナーの方も一緒に治療を行わないと、何度でも再発を繰り返してしまいます。

中高年〜シニア世代に多い原因:大腸菌などの一般的な細菌が原因になります。「前立腺肥大症」や「尿路結石」などの持病があり、おしっこの流れが悪くなって残尿が多い状態が続くと、そこから細菌が逆流して発症しやすくなります。

一刻を争う「精巣捻転症(せいそうねんてんしょう)」との鑑別

精巣上体炎の治療は、原因菌に合わせた適切な抗生剤を約1〜2週間きっちり服用(重症なら点滴静注)することが基本です。

しかし、泌尿器科医が「精巣の激痛」で最も警戒するのは、精巣がねじれて血流が止まってしまう「精巣捻転症」という超緊急疾患との見極めです。

最も多い年齢層:思春期である中学生くらいに最も多く発症します。

大人も油断は禁物:稀に成人(大人)の男性でも見受けられるため、「自分はもう大人だからねじれるはずがない」と思い込むのは非常に危険です。

精巣捻転症だった場合、発症からおよそ6〜12時間以内に手術でねじれを戻さなければ、精巣が壊死(えし)して機能を失ってしまうため、一刻の猶予も許されません。

当院では、問診だけでなく、超音波(エコー)検査を用いて「精巣への血流が保たれているか」を即座に確認し、どちらの病気であるかを厳格に診断します。


当院からのメッセージ

精巣上体炎も精巣捻転症も、デリケートな部分の病気であるため、痛みを限界まで我慢して真っ赤に腫れ上がってからようやく受診される方が少なくありません。しかし、どちらの病気であっても、治療開始の早さがその後の回復や将来の生殖機能(不妊のリスク低下)に直結します。

「いつもと違う激しい痛み」や「腫れ」に気づいたら、大人も子どもも関係なく、恥ずかしがらずにすぐ泌尿器科外来を受診してください。