Column

  • HOME
  • Column
  • 【尿路感染症シリーズ③】こじらせると怖い「腎盂腎炎」〜膀胱炎の放置や、薬の自己中断が引き起こす高熱の正体〜

【尿路感染症シリーズ③】こじらせると怖い「腎盂腎炎」〜膀胱炎の放置や、薬の自己中断が引き起こす高熱の正体〜

【尿路感染症シリーズ③】こじらせると怖い「腎盂腎炎」〜膀胱炎の放置や、薬の自己中断が引き起こす高熱の正体〜

皆様、こんにちは。医療法人岡本クリニックです。

尿路感染症について正しい知識をお届けする連載の第3回目です。

第1回は女性の「膀胱炎」、第2回は男性の「前立腺炎」について解説してきましたが、今回は男女共通で、尿路感染症の中でも特に重症化しやすい「腎盂腎炎(じんうじんえん)」を取り上げます。

「ただの膀胱炎だから、放っておけばそのうち治るだろう」

「病院でもらった抗生剤だけど、痛みが消えたからもう飲むのをやめよう」

こうした油断や自己判断が、入院が必要になるほどの重い「腎盂腎炎」を引き起こす最大の引き金になります。さらに、裏に別の病気が隠れている場合は、一刻を争う緊急処置が必要になるケースもあります。

腎盂腎炎とは?なぜ起こる?

腎盂腎炎とは、尿を作る「腎臓(じんぞう)」の奥にある「腎盂(尿が溜まる場所)」に細菌が侵入し、激しい炎症を起こす病気です。

その原因の多くは、尿道から侵入した細菌が尿管をさかのぼって腎臓まで到達してしまう「逆流」にあります。

膀胱炎の症状があるのに、病院に行かず放置した

処方された抗生剤を、途中で自己中断して菌が生き残った

睡眠不足や疲れ、ストレスで、体の免疫力が著しく落ちていた

【超緊急】結石や腫瘍が原因の「閉塞性(へいそくせい)腎盂腎炎」に要注意!

腎盂腎炎の中で、最も医療陣が警戒するのが「閉塞性腎盂腎炎」と呼ばれる状態です。

これは、尿の通り道に「尿路結石(にょうろけっせき)」や「悪性腫瘍(がん)」があり、尿の流れが完全に塞がってしまう(閉塞)ことで発症します。

せき止められた尿の中に細菌が繁殖すると、逃げ場を失った細菌や毒素がものすごい圧力で血液中に逆流します。

この状態に陥ると、ただ抗生剤の点滴を打っているだけでは絶対に治りません。

お薬を使いつつ、一刻も早く尿管に細いチューブを通したり(ステント留置)、背中から腎臓に直接針を刺したりして、溜まった膿と尿を外へ出す「適切なドレナージ(排膿処置)」を行う必要があります。処置が数時間遅れるだけで、命に関わる「敗血症性ショック」を引き起こす、極めて危険な病態です。

見逃してはいけない!腎盂腎炎の「2大症状」

炎症が腎臓まで達すると、全身に激しい症状が現れます。以下のサインが出たら、夜間や休日であっても一刻も早い受診が必要です。

38℃以上の突然の高熱:ガタガタと体が震えるほどの激しい寒気(悪寒)を伴うことが多いです。

背中や腰の激しい痛み:左右どちらか(あるいは両方)の背中のあたりや脇腹が、叩くと響くようにズキズキ痛みます。


当院からのメッセージ

腎盂腎炎は、適切な治療が遅れると命に関わる恐れがある病気です。

当院では、高熱や背中の痛みでご来院された患者様に対し、速やかに超音波(エコー)検査などを行い、「結石や腫瘍による閉塞がないか」を厳格にチェックします。もし緊急のドレナージ処置や入院が必要と判断した場合は、即座に提携する基幹病院と連携し、一刻の猶予も持たせず適切な医療へと繋ぎます。

「たかがおしっこのトラブル」と甘く見ず、熱が出たり背中に痛みを感じたりしたら、我慢せずにすぐ当院へお越しください。