【尿路感染症シリーズ①】女性に多い「膀胱炎」〜抗生剤(抗菌薬)のメチャクチャな使い方はNG!正しい治療と予防のルール〜
皆様、こんにちは。医療法人岡本クリニックです。
今回から、泌尿器科で非常に多くの方が経験する「尿路感染症(膀胱炎、前立腺炎、腎盂腎炎)」をテーマに、数回に分けて正しい知識をお届けします。
第1回目は、特に女性に多い「膀胱炎(ぼうこうえん)」です。
実は、膀胱炎の治療で使われる「抗生剤(抗生物質・抗菌薬)」の飲み方について、世間ではかなり間違った(メチャクチャな)自己判断や処方が見受けられるのが現状です。専門医療機関として、今回は正しい抗生剤の使い方と、今日からできる予防法について強く注意喚起をしたいと思います。
膀胱炎の抗生剤は「長く飲めばいい」わけではない
膀胱炎の多くは、大腸菌などの細菌が膀胱に入り込むことで起こる「単純性」の感染症です。
当院ではガイドラインや専門知識に基づき、まずはペニシリン系やセフェム系といった適切な抗生剤を選択し、必要最小限の短い期間(数日間)できっちり治療を完了させる方針をとっています。
よく「心配だから多めに薬をもらって長く飲みたい」「症状がぶり返さないようにダラダラ飲み続ける」という方がおられますが、これは医学的に大きな間違いです。
抗生剤のダラダラ飲みが引き起こす「カンジダ」の恐怖
なぜ短期間で止める必要があるのでしょうか?
それは、強い抗生剤を必要以上に長く飲み続けると、体の中にいる「体に良い常在菌(善玉菌)」まで全滅させてしまうからです。
その結果、普段は悪さをしないカビの仲間である「カンジダ菌」がデリケートゾーンで異常繁殖してしまう現象(菌交代現象)が起こります。
「膀胱炎が治ったと思ったら、今度はひどい痒みやおりものの異常(カンジダ膣炎など)に悩まされる」というのは、まさに抗生剤の不適切な長期使用が原因であることが少なくありません。
また、古い残り薬を1〜2錠だけ自己判断で飲む行為は、お薬がまったく効かない「薬剤耐性菌(たいせいきん)」を育てる原因になるため絶対にやめてください。
今日からできる!膀胱炎の正しい予防習慣
膀胱炎を繰り返さないためには、薬に頼るだけでなく、日頃から細菌に負けない体づくりが大切です。
・「適切な」水分摂取:尿の量が少ないと、膀胱の中で細菌が繁殖しやすくなります。以前のコラムでお伝えした通り、飲みすぎ(水中毒)には注意が必要ですが、のどが渇く前にこまめに水分を摂り、適度に尿として排泄しましょう。
・無理な尿意の我慢はしない:外出時や仕事中など、トイレを我慢する時間が長いと細菌が増殖します。
・エアコンによる冷え防止:体が冷えると膀胱の血流が悪くなり、免疫力が低下します。膝掛けや腹巻などを上手に使いましょう。
・十分な休息:寝不足や夏の疲れは免疫力を落とす大敵です。無理をせず、しっかり体を休めてください。
治療しても治らない…その裏に隠れた病気とは?
適切な抗生剤をきっちり飲んでいるにもかかわらず、症状がまったく改善しない、あるいは短期間で何度も繰り返すという場合は注意が必要です。
その場合、単なる膀胱炎ではなく、「尿路結石(にょうろけっせき)」などの基礎疾患(もともとある病気)が隠れている可能性があります。結石が尿の通り道を塞いだり、粘膜を傷つけたりしていると、そこが細菌の温床になってしまうためです。
「いつもの膀胱炎だから」と軽視せず、改善が見られないときは詳しく原因を調べる必要があります。
当院からのメッセージ
当院では、患者様一人ひとりの尿検査の結果に合わせ、最適な期間だけお薬をお出ししています。
また、毎月第1・第3土曜日午前には、女性の泌尿器科専門医である岡本 華奈(おかもと かな)医師の診察日もございます。
「いつもの膀胱炎と違ってスッキリ治らない」「血尿が出た」など、少しでも不安なことがあれば我慢せず、お気軽に当院へご相談ください。
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